第4弾 出雲-ベトナム相互チャーター便運航のご報告|自治体連携で実現した双方向交流の取り組み

2026年4月、出雲-ハノイ間の相互チャーター便を活用し、日本とベトナムを結ぶ観光交流事業を実施しました。
当社は島根県と観光促進に関する覚書を締結し、自治体と連携しながら、実際の送客につながる形で本事業を進めてまいりました。
本取り組みは、「地方空港からの国際線を活用し、継続的な人の流れをつくる」という観点で、他地域においても参考となる事例です。
相互チャーターによる双方向の人の流れ

本事業では、日本から海外への送客と、海外から日本への訪問を同時に行う「相互チャーター」として運航しました。
片方向ではなく、双方の需要を組み合わせることで、座席の有効活用と事業性の確保を図っています。
日本発:複数コース設定による需要の確保
日本側では、出雲発のチャーター便を活用し、ベトナムおよびラオス方面へのツアーを実施しました。
・ハノイコース(都市・文化)
・ダナンコース(リゾート)
・ラオスコース(周遊)
目的別に複数の選択肢を設けることで、幅広い顧客層の取り込みにつながりました。
このような商品設計は、チャーター便の座席を安定的に販売するうえで重要な要素です。
訪日側:地域に根差した滞在型コンテンツ
ベトナムからの訪日ツアーでは、出雲を中心に地域の魅力を体験できる内容としました。
・歴史・文化資源の活用
・温泉や自然など滞在型の観光
・地域の食や交流を取り入れた体験
地方空港への直行便により、大都市を経由せず地域に直接入る流れをつくることができ、滞在の質向上にもつながっています。
現地での説明会による販売基盤づくり

ベトナムでは、島根県関係者による観光説明会を開催しました。
・自治体自らによる観光資源の発信
・現地旅行会社との商談機会の創出
・商品造成につながる具体的な情報共有
単なる広報ではなく、販売につなげるための関係づくりを重視しています。
現地での直接的な働きかけが、継続的な送客には欠かせません。
団体需要の取り込み

本チャーター便は、社員旅行などの団体利用にも活用されています。
団体での移動効率が高く、日程調整がしやすい点から、企業需要の取り込みにも有効です。
観光に加え、地域との交流機会を組み込むことで、付加価値の高い旅行として展開できます。
相互チャーターを成功させる最大のポイントとは?

チャーター便は運航そのものが目的ではなく、「人の流れを継続的に生み出す仕組みづくり」が重要。
チャーター便の成功は、単発の運航ではなく「継続的に人が動く状態」を構築できるかどうかにかかっています。そのためには、自治体と民間が役割を明確にし、一体となって取り組むことが最も重要です。
チャーター便の成功には、以下の要素が不可欠です。
①役割分担を明確にする
②双方向の需要を前提とする
③商品として販売できる形まで落とし込む
④現地での販売体制を構築する
⑤受入体制を整備する
⑥継続を前提に設計する
① 役割分担を明確にする
まず重要なのは、自治体と旅行会社の役割をはっきり分けることです。
・自治体:地域の魅力発信、関係機関の調整、受入体制の整備
・旅行会社:商品企画、販売、送客の実行
この分担が曖昧になると、企画はできても販売が進まない、あるいは現地対応が追いつかないといった問題が起こります。
特に自治体は「プロモーション」だけでなく、観光素材の整理や現場の受入調整まで踏み込むことで、実際の送客につながりやすくなります。
② 双方向の需要を前提に計画する
チャーター便は、片道だけでは成立しにくい事業です。
そのため、必ず「往復双方の需要」を前提に計画する必要があります。
・日本発の海外旅行需要(アウトバウンド)
・海外から日本への訪問需要(インバウンド)
この両方を同時に設計することで、座席の無駄を減らし、事業としての安定性が高まります。
島根県の事例でも、日本発の複数コース設定と、訪日ツアーの組み合わせにより、需要のバランスを確保しています。
③ 商品造成まで踏み込む
単に「来てください」という発信だけでは、実際の送客にはつながりません。
重要なのは、現地で“売れる形”まで落とし込むことです。
・日程、価格、内容が明確な旅行商品にする
・現地旅行会社が販売しやすい形に整える
・ターゲット(富裕層、団体、社員旅行など)を明確にする
自治体が関与する場合でも、「どのような旅行商品として売るのか」まで意識することが重要です。
④ 現地での販売体制を構築する
継続的な送客には、現地での販売の仕組みづくりが不可欠です。
・現地旅行会社との関係構築
・説明会や商談会の実施
・継続的な情報提供とフォロー
一度の訪問やイベントだけで終わらせず、「売り続けてもらう関係」を築けるかが大きな分かれ目となります。
特に自治体が現地に出向き、直接説明することは信頼構築において非常に有効です。
⑤ 受入体制を事前に整える
送客が実現しても、受入側の準備が不十分であれば満足度は上がりません。
・宿泊、交通、食事の手配体制
・言語対応(ガイド、案内表示など)
・団体受入のオペレーション
自治体は地域内の関係事業者と連携し、「受け入れられる状態」を整えておく必要があります。
これにより、再訪や口コミによる広がりが期待できます。
⑥ 単発で終わらせない仕組みづくり
最も重要なのは、チャーター便を一度きりで終わらせないことです。
・定期的な実施を見据えた計画
・季節やテーマを変えた商品展開
・リピーターを意識した周遊ルートの拡充
「次につながる設計」を初期段階から組み込むことで、継続的な誘客が可能になります。
お問い合わせ・ご相談
エムエスツーリストは、本事業で得られた知見をもとに、他地域におけるチャーター便活用や訪日促進にも取り組んでいきます。
地方空港の活用や海外市場との接点づくりをご検討の自治体様に対し、具体的な企画・実行のご提案が可能です。
・チャーター便を活用した誘客施策の検討
・海外市場向け観光プロモーション
・旅行商品の企画および販売連携
に関するご相談を承っています。

